「新山保育園・小学校を考える会」発足で存続願う
児童数減少に伴う統合の方策を検討する
伊那市教育委員会が児童数の減少により「適切な時期に統合などを考えたい」との方針を示した新山小学校(同市富県)に関して、存続を願う住民らは21日夜、「新山保育園・小学校を考える会」を発足し、存続に向けた方策の検討を始めた。
新山保育園の園児数が減少し、小学校との共同調理方式が今年度から開始。昨年9月、この方式の提案があった際、学校の存続を危ぶむ声が保護者からあり、新山区長会が検討組織設置について話し合ってきた。
同区長会を構成する上新山、北新両区の計14常会の代表者、小学校と保育園の保護者ら委員24人が新山集落センターに集まり発足、会長には若林敏明さん=北新=を選出。オブザーバーとして学校長、園長ら学校関係者も迎えた。
若林会長は今後の同会の進め方として、区民の今の心情を確認、児童数増加への対策、小規模校の魅力の再確認竏窒ネどを考える必要があると強調。「緊急を要するので、本年度中にできること、その先にやることをまずは整理する必要がある」と訴えた。
児童数が減少する悪循環を解消するために、転入者を増やすことが必要との委員からの意見に対し、若林会長は「入居したい若い夫婦からの問い合わせもあるので、そういったチャンスを生かしていかねば」と、活路の一つとした。
新山小の児童数は55人で市内最小規模。市教育委員会によると、新たな転入者がない限り新入生は、08年度2人、09年度1人で、1・2学年計3人は複式学級の対象となる。12年度の児童数は半減の22人の見込みとなっている。
新山区の山崎昭彦区長会長は「区民のよりどころである保育園、小学校がなくなることは区が崩壊すること」とし、区外の学校との統合は住民流出へつながると懸念する。
会では行政との共同体制を整えるため、近日中に会が発足したことを市へ報告する意向。10月4日にある次回の集いでは、住民意識を知る調査方法、転入者増加のための対策などについて検討する。