伊那市手良で木曽馬の大捕物
伊那市手良野口の民家で飼われていた5、6歳の木曽馬が26日、山中へと逃げ込み、10時間に及ぶ大捕物が繰り広げられた。
逃走した馬は、那須野智博さん(75)が、農業用のたい肥をつくるため飼育していたもので、体長2メートル、胴丈約160センチ。普段は小屋に入れ、錠をかけて管理していたが、脱走前日の25日については「施錠を外したままになっていたと思う」という。
26日の午前5時半ころ、家の付近にいる馬を隣の住民が発見。那須野さんに連絡し、捕獲を試みたが、山の方へ逃げ込んでしまった。午前9時ころからは市役所職員なども捜索に協力。足跡をたどり、午前11時ころ、尾根の反対側の蟹沢地籍にいる馬を発見した。
男性4人が何とか山の下まで追ってきたが、山に入ったり出たりする馬を、ロープでつくった捕獲柵に追い込むのに苦戦。市職員や地元住民、警察関係者など総勢14人が3時間ほどかけて柵へと追い込み、午後3時10分ころ、捕獲に成功した。
那須野さんは「前にもやったが山に入ったのは初めて。こんなにとぶとは思わなかった」と語り、協力者への感謝を述べた。
10時間の捕獲劇に朝から協力していた地元住民は「良かった。今は足を休めたい」と安堵の表情をのぞかせた。