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精神保健福祉ボランティア「ひまわりの会」(箕輪町)

精神保健福祉ボランティア「ひまわりの会」(箕輪町)

 いつも太陽の光に向かって咲いているヒマワリの花。「精神に障害のある方もヒマワリの花のように、地域や社会の中で“希望の光”に向かって生活できるように」との願いを込め、「ひまわりの会」が04年6月、箕輪町に発足した。
 会員は9人。精神保健福祉ボランティア講座を受講した有志でつくる。
 主な活動は、箕輪町の精神障害をもつ当事者の会「もみじ会」での手芸、昼食作り、クリスマス会などへの協力、共同作業所でスポーツクラブや手芸の手伝い、宮田村の「なごみ家」でのお菓子作りなどの参加。精神保健福祉に関する研修会や講習会などにも参加し、学びながらボランティア活動をしている。
 「私達は一生の間に、体の病気にかかるのと同じように心の病気にかかることもある。内科や外科の病気と精神も一緒」
 心の病気は適切な治療やリハビリテーションなどによって回復させ治すことができるが、一方で病気になる前に比べて生活のしづらさ、障害を残す人も多くいる。苦しんでいる人たちは、自分たちの病や障害について正しく理解し、社会生活をうまく送っていけない心情や現実をもっと知ってほしいという気持ちを強く持っているという。
 「地域の方々に理解と協力を求めながら、当事者とゆっくり交流する中で生活や社会参加をお手伝いしたい」。会員一人ひとりの気持ちは、「精神に障害のある方も、そのご家族も、お互いに無理せず、気張らず、その人らしく過ごせる憩いの場を提供したい」という強い思いへと変わり、憩いの場「ひまわり畑」を始めようと計画が始まった。
 周囲の反対もあったが、「始めなければできない」と05年10月、準備会として「ひまわり畑」を箕輪町福祉センター2階の1室で開いた。手芸品などを福祉の祭りで販売し、売上金を運営に充てた。
 「ひまわり畑」は、午前9時から午後3時ころまで。昼食はコミュニケーションの一つで、食事を囲みながら歓談する。好きな時間に来ることができ、何をするという決まりもなく、寝ていても、話をしてもいい。自分らしくいればいい。
 12月までの準備会を終え、06年1月に本格的に始めた。実施日は毎月第3木曜日。利用者の希望で300円の会費制にした。会員が朝から福祉センターで料理をして昼食の支度をし、利用者が訪れるのを待つ。
 「去年のスタートからちょうど1年。一人も来ないときもあった。本当に手探りの状態で、資金がない大変さもある。でも、続けることに意味がある」
 一緒に食事をしながら、利用者の希望を聞き、次回に生かす。「皆さんのお役に立ちたい。何でも話せる場にしたい」と、地道な活動を続ける。
 本年度、箕輪町まちづくり住民提案事業の補助金がもらえることになった。利用者の自立支援に、手芸品などを作って販売し、お小遣いになればと、補助金でミシンを購入した。希望があれば、一緒に調理をして料理を覚えてもらうことも考えている。
 最終的にはグループホームを作りたい-という夢がある。「共に生きる世界、ノーマライゼーションの世界にしていかないといけない。そうなれば一番いいですね」。ヒマワリのような明るい笑顔や話し声が広がることを願っている。(村上裕子)

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