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車いすダンススポーツ世界選手権大会に出場、小田切元治さん

 昨年12月の車いすダンス全日本選手権で初優勝を果たし、10月14、15日にオランダで開かれる世界選手権に出場。車イスの障害者とペアを組み、3回目の世界の舞台だ。前回東京大会の準決勝を上回り、狙うは決勝進出。「健常者も障害者も区別なく、一緒に踊り、楽しむのが理想。いつかは特別視しない世界になれば」と、車いすとダンスの垣根を取り除こうと取り組んでいる。
 社交ダンスの優雅さに興味を持った学生時代。社会人となり、初心者のダンスサークルに参加した。
 それからはダンスに没頭。宮田村に帰郷した後も続けていたが、ある日専門誌に健常者と障害者がペアを組む車いすダンスの記事が掲載された。
 「自分の経験が生かせるんじゃないか」。そんな想いが強くなった時に偶然、ダンス仲間から誘いがかかった。「車いすダンスの大会があるんだけど、出場してみない」。
 10年ほど前の出来事だが、始めて2カ月の大会で見事に6位入賞。その後は全日本選手権などで活躍し、2002年のポーランド大会、2004年の東京大会と連続して世界選手権にも出場した。
 ペアを組むのは中野市の長島はつみさん。上肢も下肢にも障害がある重度のクラスだ。
 彼女は脊椎(せきつい)損傷で自分の体を支えきれない。それでも良きパートナーを得て優雅にダンスを踊ることは可能だ。
 「ここまでなら体を支えられるっていう範囲がある。状態を把握できれば、基本的な踊りは健常者も障害者も一緒」。
 前後や回転はできても、横には動けないのが車いす。相手との距離感など、言葉でいうほど簡単ではない。
 が、「難しいからこそ面白い。普通のダンスもそうだけど、言葉じゃなくて、心で伝わらなければうまくいかない」。
 現在は村内の社交ダンスサークルに加わる
ほか、箕輪町や飯田市で車いすダンスを指導する。障害者はリハビリを兼ねて参加する人も多く、一方で健常者はボランティア活動をやっていた人などが中心。ダンスの経験が全くない人がほとんどだという。
 「経験があってもなくても入口は一緒。踊ってみたいという気持ちだと思う」。
 車いすダンスには車イス同士の部門もあり、全国的にはかなりの競技人口もいる。所属する県支部の「ハンドトゥハンド」も100人くらいが加入する。
 だが、一般向けのダンスパーティーがあっても、車いすの人は皆無だ。
 「私の中ではダンスはひとくくり。ただ組んで踊る人が車いすに乗っているだけ。障害者でも普通に参加でき、一緒に踊れるパーティがいつか開ければ」。

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