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【国体弓道競技で全国優勝 池上智美さん】

赤穂高校3年
駒ケ根市赤穂北割一区

【国体弓道競技で全国優勝 池上智美さん】

 10月に開かれた第61回国民体育大会「兵庫のじぎく国体」の弓道少年女子(団体)遠的競技で3位、翌日の近的では高まる期待に応えて見事に優勝を勝ち取った。
 「近的の決勝で1射目を外した時は内心パニックになった。でも続く2人がそろって的中させてくれたので、その後は私も落ち着きを取り戻すことができました」
 全国大会出場はこれが初めて。大会前は自身も関係者も「目標は8位入賞」程度と考えていたが、強豪がひしめく大舞台の雰囲気にも気おされることなく、秘めた実力をいかんなく発揮してチームワークで金的を射止めた。
 ◇ ◇
 弓道を始めたのは赤穂高校に入学してから(!)。まだ2年あまりしかたっていない。
 「小学校では陸上、中学ではホッケーをやっていましたが、弓道は全然やったことなかった。入部したのは、はかま姿のかっこ良さにあこがれて…」
 だが、いきなり弓を持たせてはもらえず、数カ月間はつるを引けるだけの筋力をつけるトレーニングばかり。ようやく夏になって許しが出た。
 「最初に引いた時はつるが勢いよく戻るのが怖かった。でも少しずつ慣れて弓の楽しさが分かってきました」
 2年生の夏、あこがれていた先輩たちに交じって大会に出場したが、自身の成績は不満の残るものだった。
 「悔しかった。先輩たちは大会を最後に引退するのに、その足を引っ張る結果になってしまって。次は自分が頑張る番だと思いました」
 赤穂はインターハイや国体にも出場して好成績を挙げている名門。伝統ある学校の上級生としての自覚に目覚め、努力に弾みがついた。
 悪い癖が抜けずに苦しんだこともあったが、地道な頑張りが実を結んでめきめきと頭角を現し、3年生になると県の強化選手に選ばれた。数回の合宿と3次にわたる選考を経て県代表選手の一員となり、北信越国体を勝ち抜いて本国体出場を果たした。
 ◇ ◇
 「国体でも精神的には今までの大会と特別変わらなかった。行く前は全国大会の雰囲気ってどんなものかと思ってドキドキしていたけど、大会中は割と平気でした。引く時はただ的だけを見る。ほかのことは頭に浮かばないし、あまり意識もしません。でも…、そういえば予選の第1射の時は少し腕が震えたような気もするな」
 (白鳥文男)
 ◎近的は的の直径36センチ、距離28メートル。遠的はそれぞれ1メートル、60メートル。

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