箕輪消防署の唐沢隆浩消防副士長
救急救命士の薬剤投与技能認定
伊那消防組合箕輪消防署の唐沢隆浩消防副士長(31)=沢=が、救急救命士による薬剤投与技能認定を受けた。県メディカルコントロール協議会が13日付で認定し、18日に認定証が届いた。伊那消防組合では高遠消防署員に次いで2人目。
06年4月、救急救命士法施行規則の改正による処置範囲の拡大に伴い、認定を受けた救急救命士が医師の指示の下でエピネフリン(強心剤)1種類の薬剤投与が可能になった。
唐沢さんは8月1日から1カ月間、第4期生全国200人の内の1人として福岡県北九州市の救急財団救急救命九州研修所に入校し、大学教授による講義や実技訓練、試験を受けた。授業後も班ごとに2、3時間の自主訓練を重ね、卒業試験に合格し修了証をもらった。
9月4日から5日間は、伊那中央病院で点滴ラインの準備から静脈路の確保、薬剤投与の50時間の実習をし、点滴は患者の承諾を得て行い、薬剤投与は伊那消防署からの救急搬送2件で実施した。
唐沢さんは01年10月に救急救命士の資格を取得し、05年8月に気管挿管技能認定を受けている。
これまで、病院到着後に薬剤投与で心臓が動き出すのを見て、「現場でもっと早くできれば」との思いがあった。認定を受け、「救急現場で生かせるよう今後も訓練し、現場で適切な処置をして1秒でも早く医療機関に搬送したい」と話した。
箕輪消防署の救急救命士は7人。福島朝雄署長は、「順次資格を取ってもらい、住民の命をぜひ守ってほしい」としている。