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伊那北、弥生、赤穂高校で世界史の未履修を確認

 各地の公立高校で、学習指導要領の必須科目である世界史が未履修となっている問題で26日、伊那市の伊那弥生ヶ丘高校、伊那北高校、駒ヶ根市の赤穂高校の一部生徒も、世界史を履修していないことが分かった。
 伊那北高校では、2、3年次に選択で世界史を履修するようになっているが、選択の仕方によっては世界史を履修しないことも可能となっており、26日の調査の結果、現在の3年生にも世界史を履修していない生徒がいることを確認。これまでの卒業生は、日本史や地理の単位を未履修分の世界史に置き換え、単位認定をしてきた。
 千村重平校長は「どの程度までやったかを精査して、子どもたちには先のことを保証してやらなければならない。一番良い方法を模索したい」とコメント。今後は、県や国からの判断を待って対応を考えたいとしながら、生徒らの進路が落ち着いた後に、集中補習をするなどの方法を考えている。
 伊那弥生ヶ丘高校では、2年次にすべての生徒が世界史を選択するようになっているが、実際には日本史との選択となっており、現在の3年生の約58%が、世界史を履修していない。同校の場合は、世界史という大枠の中で日本史を集中的に学んだと解釈し、世界史の単位認定をしてきたという。大野田文吉教頭は「日本史の中でも、世界史と関連する部分があり、その中で世界史の教科書を使うから良いと判断していた。県や国が、これではだめだと判断した場合、今後の対応を考えていきたい」としている。
 赤穂高校でも、普通科の中に設けている文理総合コースの一部、73人が、世界史を履修していないことを確認。状況は伊那弥生ヶ丘と同様で、米山明廣校長は「今後、必要な授業を行って対応していくことを考えている」としている。
 現場の教師からは「センターや共通試験の導入で、3年間という期間が狭まり、3年次から履修をスタートすると履修しきれないという事態が出てきた。そういう中で入試対応をしていくには、2年次から受験対応の選択制を導入せざるを得なかったという背景もある」ともらす。
 授業日数が減少する一方、学力低下に対応すべく、必死に受験対策をしてきた教師たち。「全県的に必死で学力向上を目指し、やっと平均値までになった。今回のことで、再び下がってしまうのでは」と語った。

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