信大農学部の食と緑の科学資料館、来年3月を目途に工事着工の準備進む
信州大学農学部が創立60周年記念事業として、本年秋に完成させる予定だった「食と緑の科学資料館」。建設費に当てる寄付が集まらず、工事の着工が大幅に遅れていたが、このほど、目標としていた約1億円の資金調達ができ、11月から建設工事を開始することになった。完成は約半年遅れる来年3月となる見込みだ。
昨年60周年を迎えた農学部は、同学部にある貴重な資料を展示する「食と緑の科学資料館」の建設計画を明らかにし、学部だけでは調達が困難な建設費は、個人や法人からの寄付を募ることにした。しかし、不況のあおりもあり、なかなか資金が集まらず、着工も延期していたが、同窓会や企業などの後押しで予定を押しつつも目標額を達成。今月末に入札を行い、速やかに建設工事に移ることを決めた。
現在は学部敷地内にある建設予定地の区画整備をしており、伐採したカラマツやヒノキは、建物に再利用していく。
資料館は、地域連携の拠点として位置付けており、地域住民にも同学部が持つ貴重な資料を公開する。内部には、大学で生産した農産物販売をする直売所や、地域住民も活用できる研修室なども設け、さまざまな連携を模索していく。