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養魚場周辺でクマの出没あとを絶たず、村は漁協に電気柵設置を要請

養魚場周辺でクマの出没あとを絶たず、村は漁協に電気柵設置を要請

 宮田村新田区の天竜川漁協が運営するマス養魚場周辺で、クマの出没が相次いでいる。27日には前日仕掛けたばかりの罠で、体重43・5キロの若いオスを捕獲。村などは養魚場が絶好の・スエサ場・スになっているとみて、クマが近づけないように養魚場に電気柵の設置を要請した。周辺には遊歩道やマレットゴルフ場、公園などもあり「いつ誰が襲われてもおかしくない」と事情に詳しい関係者は警鐘を鳴らしている。
 同養魚場では2つの池の周囲に電気柵を設置しているが、それ以外に柵はないためか頻繁に出没。先日も同職員がクマと出合い頭に遭遇し、格闘する事例も発生した。
 村は周辺の安全性に支障があるとして、他の池など施設全体を電気柵で囲うように要請している。
 本紙の取材に対し、同養魚場は「我々の施設だけの問題ではない。地域として安全面に取り組んでもらわないと」と話した。
 27日に捕獲したクマを調べた、NPO法人信州ツキノワグマ研究会の林秀剛代表は「養魚場があるから、これだけクマが出没する。電気柵をきちんと整備するなど、対策を施せば来なくなる」と説明する。
 一方で、現場周辺をを含め伊那谷各地で長年クマの生態を現地調査する写真家の宮崎学さん=駒ケ根市=は「山にはエサが豊富で自然界全体に変化が起きており、ココに限った問題ではない」と指摘。
 山を利用したり、その近くに住む一人ひとりが安全に対する意識を高く持つことが必要と訴える。
 村は遊歩道に看板を設置して通行に注意するよう呼びかけているが、「何よりも安全性を最優先して対応を図りたい」と話した。

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