伊那市長谷浦 自宅庭でクマに襲われ重傷
30日午前10時30分ごろ、伊那市長谷浦に住む無職の西村くにゑさん(70)が自宅の庭でクマに襲われ、顔や頭、両腕などに重傷をおった。今年に入って上伊那では2件目、伊那署管内では初めての人的被害が出た。
同署の調べによると、西村さんは、敷地内で飼い犬がほえていたため、外に出たところ、後方からクマに襲われたという。庭にあった養蜂箱を荒した形跡があることから、はちみつを狙ったと思われる。
西村さんは、襲われた後、自分の足で助けを求め、近くの男性(76)の車で近くの診療所へ搬送された。男性によると「『クマに襲われた』と叫ぶ声が聞こえて見にいくと、顔を血だらけにしていた。意識はあるようだった」と話している。
上伊那地方事務所、市、猟友会など約25人が辺りの山などを捜索するがクマは見つかっていない。同日午後4時ごろ、付近に檻を設置し、捕獲を試みている。
地元住民によると、長谷地域では約40年間、クマの被害はないという。今年に入って同地区では、5件ほどの目撃情報がある。
上伊那では本年(30日朝までに)、63頭を捕獲、14頭を処分した。8月にピークは過ぎたものの、現在でも伊那市内の西箕輪、西春近で目撃が多くあるという。
西村さんのサンダルが残された被害現場を捜査する関係者