長編劇映画「Beauty-美しきもの」がクランクイン
半次の家シーンなど4カットを撮影
飯島町在住の後藤俊夫監督(67)がメガホンを取る長編劇映画「Beauty-美しきもの」が2日、飯島町岩間でクランクインした。
初日の撮影現場は伊那谷伊那路村を想定した飯島町岩間の半次の家のセット。後藤監督、主役の高橋平君(11、東京都)をはじめ、スタッフ、俳優ら約50人が参加した。高橋君が扮する少年半次が、こけしを仕上げ、山道を元気に駆け下る映画の最初のシーンと、半次の祖父で木地師、半造役の井川比佐志さん(69)が家でろくろを回し、木地をつくる場面を撮った。
西山際に作られた半次の家のセットは、古い倉庫を改装したもので、石置き屋根で、古びた引戸と、水車もあり昭和10年代の民家を彷彿させる出来映え。
本番を前に、井川さんは南木曽町伝統工芸協会の木地師からろくろの扱いについて、指導を受けるなど、役づくりに熱心に取り組んでいた。
撮影終了後、後藤監督は「タイトルが『村歌舞伎一代』から『ビューティー』に変更になり、なじめないところもあろうかと思うが、伊那谷の美、ふるさとの美、村歌舞伎を継承しようとする魂の美しさが表現できれば。地方歌舞伎は11月の紅葉、2月の雪、5月の緑と、自然の美しさをバックにあった。撮影は長期にわたるが、俳優、スタッフが創意を持ち、いい作品にしたい」。高橋君は「ぞうりで走ることは大変だった。これからも大変なことがあると思うが、貫き通したい」。井川さんは「伊那谷は初めて。息子や孫をむざむざと戦地に送り出す肉親の辛さを画面を通じて感じてほしい」と話していた。
今後のスケジュールは19日午前8時30分から、大鹿村大碩神社舞台で飯島町民ら約百人がエキストラで出演し、歌舞伎シーンを撮影する。
完成は07年8月ころ、07年末か08年初、全国公開の予定