宮田村が中期財政見通し公表、健全化に向けて物件費削減など収支改善目標設定
宮田村は8日、2011年度までの中期財政見通しを村議会全員協議会に示した。対策を講じなければ来年度から赤字を計上。5年後の累積赤字は2億2300万円にのぼると試算した。そのうえで物件費の削減、村債の繰り上げ償還、村有地の売却などで、赤字に転落しないための収支改善策を示した。
昨年度までの決算状況、本年度予算を基礎に、国、県の動向などを加味して試算。
現状で推移した場合、07年度から11年度まで財源不足の状況が続くとした=グラフ参照=。
財政健全化を図るために、具体的な収支改善目標を立てて取り組むと説明。
物件費は本年度当初予算費で10%削減を断行し、5年間の累計で1億6800万円のカットを目標とした。
補助費についても必要性、効率性など加味して5年間で4300万円削減。
歳入では滞納整理の強化により村税の徴収率を向上し、村有地の売却などでも財源確保に努める。
また、安定的な黒字化を目指すため、将来にわたる財政負担の軽減にも着手。
長期的に公債費が財政を圧迫していることから、08年度に国からの交付税優遇措置が終了する村民会館建設時の村債の一部2億4300万円を繰り上げ償還(先払い)する。
これらの改善策を実施した場合、09年度に800万円の赤字を計上する以外は財源不足にならず、単年度収支で黒字の状態が続くと試算した。
ただ、物件費や補助費などは今までも削減に取り組んでおり、この日の全協でも「やっていくにはかなりの努力が必要」と村議から指摘も挙がった。
また、景気動向の変化や国の制度改正なども不透明なため、今後村は毎年度、当初予算の編成にあわせ財政見通しの修正を行う。