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【上伊那サッカー協会理事長 杉本雅史さん】

駒ケ根市赤穂上穂町

【上伊那サッカー協会理事長 杉本雅史さん】

 「低い低いといわれる上伊那サッカーのレベルを何とか上げなければならない」竏秩Bその強い思いから今年6月、上伊那サッカー協会を設立した。さまざまな情報を発信し、県の協会とも連携しながら上伊那サッカーの向上を目指していく。
 「学校やクラブがそれぞれ独自にやっているだけでは限界がある。活動の裾野を広く、厚くして徐々にレベルを上げていき、いずれは世界に通用する選手が出てほしい」
 ◇ ◇
 原点は赤穂中1年生の時のクラブ創設。
 「丸坊主にしなければいけない野球部は嫌だったから、当時学校になかったサッカークラブをつくったんだけど…」その年、男子生徒は全員丸坊主という規則が新たに決まってしまった。
 「せっかくサッカーを始めたのに結局同じことになっちゃった」
 クラブはまったく何もないところからのスタートで、新聞配達などのアルバイトをして得た金を注ぎ込み、ボールなどの用具を買った。
 「あのころはサッカーが社会的に認知されていない時代だった。今と比べれば知識も技術もあったもんじゃなかったけど、それでもとにかく楽しかったなあ」
 その後進学した赤穂高にも、就職した山一証券にもやはりサッカー部はなく、そのたびに同好会やクラブを一から立ち上げた。
 「誰かが先頭切ってやらなければ何も変わらないからやってきただけ。でも義務感や悲壮感なんてまったくない。ただただサッカーが好きなんです。でもね…自分にはサッカーの先輩がいないんですよ。それだけはちょっと寂しいな」
 ◇ ◇
 トップストーンでは幼児や小学生にサッカーの楽しさを教えている。自己流の教え方だけでは駄目だと考え、日本サッカー協会の認定試験に挑戦してコーチの資格を得た。
 「小さな子どもたちに教えるのは本当に難しい。ただその場の思いつきでやっても駄目なんです。どうすればもっと効果的な教え方ができるのか。それをきちんと勉強し、考えてやれば子どもたちはどんどん伸びてくれる」
 今年10月に鳥取県で開かれた全国スポーツ・レクリエーション祭の壮年サッカー競技に県選抜チームの一員として出場した。
 「どうしようかなと迷ったけど、せっかく選ばれたんだし、子どもたちが見て何かを感じてくれたらいいと思って出場を決めた。結果はあまり良くなかったけど、やっぱりサッカーは楽しい。生涯続けていきたいですね」
 「自分の世代と違って今教えている子たちは小さい時からボールに馴染んでいる。彼らの10年後、15年後が楽しみです」
 (白鳥文男)

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