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箕輪中学校外国語指導助手
ダンスタン・ヘンダソンさん

箕輪中学校外国語指導助手<br>ダンスタン・ヘンダソンさん

 箕輪町の箕輪中学校に外国語指導助手(ALT)として今年4月に着任し、半年以上が過ぎた。学校ではディー先生と呼ばれている。
 2メートルの長身。校内を歩いていても目を引く。生徒の多くは敬称をつけずにディーと呼ぶ。「外国人なので扱いが違う。でも、先生として尊敬してくれていることを感じている」という。「生徒は元気で好奇心が強い。外国人の考え方の違いなどを質問してくる」と印象を語る。
 授業では英語教諭を助けながら、「英語はインターナショナルだから」と、アメリカ人の発音、中国人の発音などの違いを実際に発音して生徒に聞かせる。面白い声で話してみたり、ロールプレイで女の子役を演じたり、時には踊ったり。「先生は驚いている。でも楽しい授業をやりたい。楽しく学んだことは覚えている」。生徒もロールプレイをするが、「恥ずかしがって、発音も棒読みになってしまう。もっと恥ずかしがらずにできたらいいと思う」という。
 マレーシアで生まれ、オーストラリアのパースで育った。
 日本に関心をもったきっかけは、小さいころに子ども向けのテレビ番組で見た折り紙だった。図書館で折り紙の本を借り、作って遊んだ。日本に行きたいと日本語も勉強した。
 高校卒業後、モデルとして働き、イーデス・カーワン大学に進学。コンピューターサイエンスと日本語を専攻し学業に励みながら、モデルの仕事も続けていた。
 初来日は4年前。大学を休学し、モデルの仕事で大阪に1年9カ月暮らした。その間、企業でビジネス英語も教えていた。日本料理は好きだが、母親の料理が食べたくなり少しホームシックにもなった。それでも、日本での生活は楽しいことが多かったという。
 復学し、大学卒業後はミュージックプロモーターとして働いていたが、大阪では経験できなかった日本の教育システムを学びたいと再来日を決意。ALTとして長野県に来た。
 「教育は未来と自由と力をつくる」。日本の教育がどのようにして日本人を形成するかに関心を抱いている。
 武士の心、日本人の心にも魅力がある。「日本は強い国だが、日本人の中には日本文化を忘れている人がいる。武士の心は強いけど、今の日本人は知らない」。日本人が武士の心を忘れかけていることを残念に思っている。
 日本の自殺者の多さにも驚いた。「すごい問題」と指摘する。女性の地位については、「オーストラリアは女性は強い。日本は女性の心は強いけど、日本文化が女性を抑えている。それは好きではない」という。
 母国と日本の文化の違いなどを肌で感じながら暮らす日々。日本に来て花粉症に悩まされ、今度は「超寒い」と長野県の寒さに少しショックを受けているが、生活にも慣れた様子。「日本では教えていないオーストラリアと日本の歴史、世界史も教えたい」と教育現場での次なる課題も見出したようだ。
 趣味は極真空手、運動、コンピュータープログラミング、そして折り紙。ビールも大好き。(村上裕子)

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