戦後代表する俳人の句碑、遠祖の地宮田村に建立
中世に宮田村北割区の宮田城を拠点に一帯を治めた宮田氏の末えいで、一昨年に90歳で亡くなった戦後を代表する女流俳人・故桂信子(本名丹羽信子)さんの句碑が13日、遠祖ゆかりの地である同城址に近い真慶寺に建立された。「建てるならば宮田の地に」と故人の遺志を受け、300人以上に及ぶ門下が賛同。地元の宮田城址保存会の協力で、刻まれた句の通りに山々を一望する絶好の地に碑は建った。
「信濃全山十一月の月照らす」。桂さんが1960(昭和35)年に信州を旅した時に詠んだ句で生前、「句碑を建てる機会があれば、この句を宮田の地に」と親しい人に話していたという。
門下で現代俳句協会長の宇多喜代子さんらが故人をしのんで建立を計画し、同城址保存会が調整や手配など全面的に協力。南アルプスを一望する高台の真慶寺を場所に選んだ。
この日の建立除幕式には宇多さんや関西の門下でつくる「草樹」の5人が出席。地元からも保存会を含め、多くの参列者があった。
「山々を望む素晴らしい場所で、先生の句が皆さんと一緒に生き続ける。ふるさとに帰った気持ちで天国でも喜んでいるはず」と宇多さん。
保存会の春日甲子雄会長は「お手伝いできて本当にうれしい。今後も一層、宮田城址を村の文化遺産として後世に伝えていきた」と話した。