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箕輪町
ぷち・らぱん代表
戸田真理子さん

雑貨で生活にうるおいを

箕輪町<br>ぷち・らぱん代表<br>戸田真理子さん

 夫の両親が暮らす箕輪町に今年7月、夫より一足早く、東京から引っ越してきた。「雑貨の店をやったら」との夫の言葉で起業を決意。「かわいい大人のためのうるおい雑貨」をコンセプトに中心商店街に店を構え、新たなスタートを切った。
 店名は仏語で小さいウサギの意。子どもが一文字ずつ読めるよう平仮名にした。店にはフランスとベトナムの品、今まで使ったブランドなど自分の好きなものを置こうと考えた。なくてもいいけど、あれば生活がうるおう。そんな「うるおい雑貨」をそろえた。
 オープンから2カ月。若い世代が店を探して訪れる。「おかげさまで毎日忙しい。皆さんゆっくり見てくださって、居心地がいいのかなと本当にうれしい」と微笑んだ。
 東京では、接客マニュアルを作り指導する仕事をしていた。仕事を辞める前の1、2年はホスピタリティーも学び指導していたが、実際の接客は初。「接客の基本は、心から来ていただいたことに感謝すること。自分が教えていたことは間違っていなかった」と実感した。
 ターゲットは20歳代後半から30歳代。東京のイメージは、30歳代で結婚し35歳で2、3歳の子がいる。しかしここでは「こんなに若い人がいると思わなかった」と驚いたほど若い世代、小さな子ども連れが多いという。
 店内は1軒の家をイメージしキッチン、クローゼット、勉強部屋などテーマを持たせたディスプレイだが、客層を見て、お母さんの買い物中に子どもが遊んで待てるコーナーも新たに作った。定休日もディスプレイを変えたり、半受注の棚を作ったりと忙しい毎日を送っている。
 もともと雑貨が好きで、お気に入りはアメリカのスーパーで買ったポパイの缶詰。ホーローは15年も愛用している。パリを訪れるときも、わざわざアパートに泊まり、例えばヨーグルトなどかわいいパッケージのものを買い、中身を食べて容器を持ち帰る。
 料理好きで、台所用品はかわいいものが欲しいと、特に布きんは色柄がきれいなフランスものにこだわる。「ちょっとした贅沢。小市民なんですけどね」と、トイレットペーパーも柄物を使う。
 購入するばかりでなく、身近にあるビンに手を加えるなど、型にはまらず自由な発想で雑貨を生活に取り入れている。
 勤めていたころは、「雑貨屋さんを見てまわるのが息抜きだった」。買ってはみたものの家に帰ったらサイズが合わないなど、買い物で失敗したこともある。「一度家に帰って考えて」。自身の経験からのアドバイスだ。
 箕輪での生活も4カ月が過ぎた。「本1冊買うにも手に入らないなど、あまりにも地方と東京の違いを感じた。だから、私の店に雑貨が好きで集まってくれる人には、ここに来ればあるというふうにしてさしあげたい」。商売よりも友達づくりを考えて始めた店。「皆さんがとても温かい。無理しないで、ずっと長くやっていけたら」。
 ハンドメイド作品を展示する店内の無料貸出テーブルをきっかけに、人が集まる試みとして、12月にハンドメイドフェスタを計画している。(村上裕子)

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