権兵衛トンネルを活用した農産物交流
木曽の特産品「赤カブ」を伊那の人にも知ってもらおう竏窒ニ23日、「木曽の赤かぶフェアin伊那」が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場であった。訪れた人たちは、木曽地域でしか生産されていない4種類の赤カブと漬物などの味を確かめた=写真。
フェアを開催したのは木曽の赤かぶの種の継承と特産品の開発を目的として発足した「木曽赤かぶネット」のメンバー。同グループは、。権兵衛トンネルの開通に伴い、伊那側から働きかけがあり、初めて伊那地域でイベントを開くことを決めた。
この日は、ダムに沈んだ旧三岳村黒瀬地区で栽培されていた幻の赤カブ「三岳黒瀬かぶ」をはじめ、王滝かぶ、開田かぶ、細島かぶが登場。各地区で引き継がれてきた4種類は、形だけでなく辛味、肉質も違っている。45年前にダムで途絶えた黒瀬地区の赤カブだが、1軒の農家が種を引き継いでいたため、県や地元女性グループが協力して、復活にこぎ着けた。春先になっても辛味が抜けないことに定評がある。
木曽赤かぶネットの西尾礼子さん(66)は「多くのお客さんがカブは1種類だと思っていたみたいで、これだけの種類を見ると驚く。互いの地域にない農産物や特産品を通して交流も進んでいけば」と話していた。
トンネルの開通後は、伊那側からも木曽で作っていない農産物を販売するため、木曽の道の駅を訪れる生産者が出てきているという。