孫たちに伝えたい話を聞く会
公民館協議会
駒ケ根市の公民館協議会は20日「孫たちに伝えたい話を聞く会」を赤穂公民館で開いた。市内在住の戦争体験者3人がそれぞれ経験した生々しい体験談と戦争の悲惨さを語り、異口同音に「戦争は何があっても二度と起こしてはならない」と強く訴えた。
木下主計さん(79)=赤穂北割二区=は関東軍所属の初年兵としてソ連軍と戦い、終戦後は酷寒の収容所で飢えと戦った。「生きるためとはいえ仲間を見殺しにしてきた。戦争は人を狂わせる」と淡々と語った。
浦野喜久美さん(82)=赤穂福岡=は満州でソ連兵の目を逃れるため頭を丸坊主にし、男の服装をして何とか生き延びた。「ソ連の兵隊のやったことは本当に許せない。思い出すと涙が止まらない」と感情をあらわにして訴えた。
木下清人さん(77)=赤穂福岡=は満蒙開拓団として伊南郷に入植し、病気や栄養失調でばたばたと倒れていく人たちを目にしてきた。「毎日いくつもの死体を郊外へ運んで埋める。感情を殺し、物と思わなければできるものではなかった」と悲しみを込めて振り返った。
会場に集まった小学生から80歳代までの約50人は3人の話にじっと耳を傾け、沈痛な表情で戦争の悲惨さに思いをはせていた。