ニホンジカ一斉捕獲始まる
近年増大しているニホンジカによる農林作物の被害軽減に向け、県や市町村でつくる上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は1日、伊那市高遠町の鳥獣保護区でニホンジカの一斉捕獲をした。協力を得た上伊那猟友会などの捕獲隊約150人が参加し、26頭を捕獲した。
増えすぎたニホンジカの個体数調整を図る目的で、3年目。越冬地とされる伊那市長谷(2日、1月13日)と中川村(1月27日)の鳥獣保護区でも予定する。昨年度は同様の地域で70頭を捕獲、本年度は最低200頭を目指す。
上伊那地方における昨年度のニホンジカによる農林業被害額は4800万円余で、野生鳥獣による被害額全体の約3割を占めた。南アルプスの高山植物にも食害がおよび、花畑が消滅するなど被害が深刻化し、一斉捕獲によって南アの個体数調整を図る。
県が本年度策定した第2期特定鳥獣保護管理計画では、南アでの生息数を約3万300頭と推測、適正数を1万4400頭としている。県は本年度、上伊那地方で一般狩猟含め、1240頭を捕獲する方針だ。