KOA 世界初
インクジェット法で微細配線形成
セイコーエプソンと共同で新開発
KOA(本社・伊那市、向山孝一社長)は23日、インクジェット技術を応用した低温焼成セラミックス(LTCC)多層基板の微細配線形成技術の開発に成功したと発表した。同社調べでは世界初の技術だという。
LTCC多層基板は情報通信機器などに使用される超小型部品。新技術では、表面処理したセラミックスグリーンシートの上に、パソコンのインクジェットプリンターと同じインクジェット法を応用して、配線幅で最小30マイクロメートル、ピッチ60マイクロメートルの配線パターンを描き、このグリーンシートを一括積層・同時焼成して微細配線を形成できるという。
従来の厚膜スクリーン印刷法に比して(1)配線の微細化が可能(2)多品種少量生産および短納期化が可能(3)必要な部分にのみ描画するため材料使用量およびエネルギー消費量が少ない窶狽ネどが特長。
同社では情報通信機器用の回路基板の高機能・小型化およびLTCC多層基板製造の短納期化などを目標に、03年6月より3ヵ年計画で、NEDO(独立行政法人・新エネルギー産業技術総合開発機構)の助成を受けて、セイコーエプソン(本社・諏訪市、花岡清二社長)と、同技術の開発を進めてきていた。