三峰総 「川下り米」の味検証
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は20日、伊那市長谷にある美和ダムの堆積(たいせき)土で育てた「川下り米」の味を検証するため、長谷保育園の園児たちを対象に試食会を同園で開いた=写真。園児たちの反応を見て所員らは、土の新たな利活用の可能性に手応えを感じた様子だった。
三峰総は、ダムの機能を維持するため大量の堆積土を掘削し、ほ場整備などに活用してきた。ミネラルを豊富に含んだ同土は、家畜飼料、育苗土などの活用研究、野菜への適用性などの検証もしている。
園児たちは、堆積土を20パーセント混ぜた土壌で育てた米と、混ぜていない土壌で育てた米をおにぎりにして食べ比べた。年長児16人にアンケートしたところ、14人が「川下り米」の方がおいしいとの結果が出た。
三峰総では、18日に「道の駅・南アルプスむら」であったイベントでも試食会を開き約200人にアンケート。7割以上が「甘い」などの感想で「川下り米」に票を入れたという。
関係者は「厄介ものの土を使ってもらえる受け皿があることが分かった。アンケートを分析し、堆積土の今後の活用方法を検討していきたい」と話している。