屋外広告物禁止地域の既存不適格広告物の撤去始まる
景観を保全するため、本年2月から条例の定める屋外広告物禁止地域となった国道361号伊那木曽連絡道路沿線で、各事業所がこれまで設置していた既存広告物のうち「不適格」になった広告物の撤去が始まった。対象事業所9社のうち7社が集中する南箕輪村では、6社が前向きに検討を進め、既に撤去を始めたり年度内に着手しようとしている事業所もある。
権兵衛トンネルの開通に伴い県は、屋外広告物の乱立が懸念される伊那市西箕輪地区から南箕輪村の国道361号沿線区間約20キロの両側100メートルを「屋外広告物禁止地域」に指定。原則として、禁止区域内での広告物の掲出を禁止したため、指定区域内にある既存の不適格広告物は3年以内に撤去しなければならなくなった。
それを受け、県や市町村でつくる上伊那地域景観協議会も本年度、不適格広告物の早期撤去を促すための助成措置を設け、撤去費の3分の2を県と市村が負担する事業を打ち出している。
中には、看板の撤去により客足が遠のくことを懸念する事業所もあるという。現在の約4分の1程度まで縮小する事業所の一つは「決まりなので仕方がない。残せる範囲で残したい」と話していた。