若丸の下平洋一社長がモンゴル国農業大臣の食品産業功労賞受賞
モンゴル国の食肉事業発展に貢献、日本人では多分初めて
「外国から表彰されるなど、思ってもいなかった。多分日本人で初めて、大変光栄なこと」-。馬肉輸入販売の若丸(飯島町本郷)の下平洋一社長(55)はモンゴル国農業大臣から食品産業功労賞が贈られた。受賞式は9日、ウランバートル市で、モンゴル国食品産業協会60周年記念式典の席上行なわれ、本人が出席した。
下平さんは96年現地法人、WAKAMARU MONGOLIA CO,LTD設立以来10年間、日本への馬肉輸出の先駆者として、また、現在もモンゴル国の食肉事業発展に貢献したことなどが認められた。
93年下平さんは木曽馬の減少を受け、新たな馬肉の供給源を求める中で、木曽馬のルーツであるモンゴル馬に着目。輸入する馬の肥育牧場を開設するために、現地法人、WAKAMARU MONGOLIA CO,LTD設立、JICAの途上国農業振興事業の支援を受け、96年から5年間、試験事業として取り組んだ。
同法人のウランバートルに開設した牧場は南北、東西各250メートル7縲・5歳馬を平均で3百頭肥育。馬はモンゴル各地の遊牧民のゲルを回り、買い付ける。大草原で伸び伸びと、青草を食べて育った馬は、そのまま、食肉にすると、青草のにおいがするため、5、6カ月乾草と穀類で肥育し、食味を調える。委託した解体工場で精肉にし、年間30トン、日本の若丸に輸出する。事業推進の中で、飼育や肥育技術の普及、馬刺し用に解体するための衛生指導など、人材育成にも貢献した。大自然プラス卓越した技術指導で完成させた馬刺しの味は「中型馬系できめ細かくおいしい」とか。
年数回、モンゴルに出掛けるという下平さんは「細かいことを気にせず、頭と体をリフレッシュできる。モンゴルでは自然対人間、人間の非力さを感じる。モンゴル人は生きる力があり、失われた日本の良さ、例えば、家族のつながり、年寄りを大切に、子どもの役割分担などが残っている。来春、モンゴルの草原に若草が萌え始めたら、モンゴルに行きたい虫が騒ぎ出しそうだ」と話している。
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