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箕輪東小学校5年「ひだまり村」

箕輪東小学校5年「ひだまり村」

 06年4月、箕輪町立箕輪東小学校に「ひだまり村」が開村した。5学年に進級した「ひだまり学級」が、「ひだまり村」として新たな生活を始めた。
 テレビ番組の「DASH村」にヒントを得た。村人は児童29人。村長に「ひょっこりひょうたん島」のドンガバチョ、副村長に担任の丸山伸一教諭が就任し、村のテーマとして『挑戦せずしてあきらめることはできない』を宣言した。教室では、操り人形の村長が村人を見守っている。
 「ひだまり村の田畑や花壇を作ろう」を合言葉に、キノコの駒打ちから活動が始まった。
 花壇作りは、同校グラウンド南東の県道沿いにある地域の花壇を再生した。利用されなくなり空き缶、空きビンなどが多く捨てられる状況を見て、花壇を整備してごみをなくそう-と、箕輪町環境教育プログラムへの参加にも位置付け、取り組んできた。
 茂った木を切り、雑草を取る花壇作り。時には片隅で、40匹ものミミズ捕獲作戦も密かに行われた。
 苗を育てマリーゴールド、ダリア、サルビアなどを植えた。「5月ころからいろいろな花を植え替えていたので、慣れていて皆と協力して手際よく進めることができた」。初夏から秋まできれいな花を咲かせ、人々の目を楽しませた。
 花壇へのごみの投げ捨てはほとんどなくなったが、花がない冬の間、「ごみ捨て防止に役立てよう」と、大型看板も手作りした。村人皆の願いを込めた言葉『ごみ捨てないで きれいな箕輪町 ひだまり村』を刻んで設置。「遠くから見てみたらすごく良かった」と満足の出来となった。
 畑では大豆、トマト、サツマイモなどを育てた。草地を開墾して果樹園も作り、副村長の家のブドウと桃の木を植えた。収穫したブドウは1人10粒くらい。「すっぱいのもあったけれどおいしかった」。大事に大事に味わった。
 米作りでは、もち米を栽培し、44キロ収穫した。もちつき、とん汁作りで収穫を祝った。
 「食は、普通は出されたものを食べるだけだが、自分で作るとすごく大事そうに食べたり、全然違う。主体的に関わったことは全部跳ね返ってくる。体験学習はすごい大事なこと。村の中でいろいろなことに挑戦し、勉強してきた。興味を持って取り組めてきたと思う」と丸山副村長は言う。
 村には鈴虫や、「マイケル」「美江子」などと名づけられたカブトムシもやってきて、村人と一緒に暮らしてきた。
 農作業や花壇整備がひと段落したこれからは、日本の文化に触れようと、収穫した大豆やサツマイモで昔からの日本の手作り料理に挑戦する計画。陶芸の取り組みも始まった。
 「おじいさん、おばあさんから昔の知恵を学びたい」。地域の人に教わり、地域の人との交流も考え中。ひだまり村の挑戦はまだまだ続く。(村上裕子)

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