新春を寿ぐ「和」「洋」の寄せ植え
花ロマン
新春を寿ぐ寄せ植えといえば、格調高い「松竹梅」がポピュラーだが、万両や千両などおめでたい実物の寄せ植えもいい。洋花系は冬の代表的な鉢花、シンビジュームやコチョーラン、シクラメンなどが一般的だが、小花系オンシジューム、原種系のマスバリアなど、和の雰囲気を持つランをメーンにした寄せ植えも素敵だ。師走が半ばになり、正月用鉢花、寄せ植えの材料がそろう伊那市ますみケ丘の産直市場、グリーンファームの小林智幸さん、荻原直樹さんと、宮田村のフラワーユーズの浦野成人さんに、作り方、アレンジの仕方などをお聞きした(大口国江)
##中見だし
「松竹梅」の盆栽は庭を作る感覚で、小林さん
材料は冬至梅、黒松、ヤブコウジ、七福ナンテン、寒菊、福寿草、オシマザサ、マンジュゴケ、化粧砂、培養土、山野草鉢。
(1)底に金編を固定し、ごろ土を入れる(2)主木の梅の位置を決め、黒松やヤブコウジなどを配置し、バランスを見る(4)実際に植え込む(6)こけを張り、手前を低く、化粧砂で池を表現する。
小林さんは「溶岩石を配置すると風格が出る。福寿草は根を切らないように、梅は根鉢は周りを少し崩す程度」とポイントを。
「年末になると、既成の松竹梅の盆栽が出回るが、ガーデニング感覚で、好きな材料を入れて、自由に作ると楽しい」と話す。
##(見だし)
万両、千両、百両、十両、合わせていくら?おめでたい実物の寄せ植えで来福を、荻原さん。
赤実、白実が春まで楽しめる万両、正月用の切り花としても人気の高い千両は、赤実と黄色の実がある。百両は別名カラタチバナ、ササの葉のように、細長い葉が特徴、白実と赤実がある。十両はヤブコウジ、ヤマタチバナと呼ばれ、樹木の下などに自生しているが、園芸用は実が大きい、大実ヤブコウジが多い。
赤い実、緑の葉が映えるように、白の深鉢に、万両、千両、百両、十両合わせて1万1110両を植え込み、手前に、葉ボタンを配した。
荻原さんは「実物を集め、洋風に作った。寒さに弱い植物もあるので、冬場は玄関や室内で鑑賞を」と話す
【豆知識】万両、百両、十両はいずれもヤブコウジ科だが、千両だけはセンリョウ科。名前の由来は、千両は葉の上方に実をつけるので、鳥に食べられやすく、万両は葉の下に実をつけるため、食べられにくく、実がしっかり残るからとか、万両の実は垂れ下がり、千両は上向きにつくので、万両は重く、千両は軽いから。百両、十両は万両などと比べ、草丈も低く、実も少ないからなど諸説がある。
##(中みだし)
洋花を作った正月飾り、フラワーユーズの浦野さんに聞く
小輪系のオンシジュームスターダスト、オレンジの白の原種系のマスベリア、色合いの合うハボタン、へドラで組み合わせた、金の水引や武者たこなど、正月飾りで雰囲気を演出した。
紫とカラシ色、シックな色合いのジコベタラム、ピンク色のアッサムにおい桜、赤い実が5月頃まで楽しめるチェッカーベリーコーデリアを籠に盛った。におい桜もジコベタラムも香りがいい、ラッピングも和風にした作品。
浦野さんは「正月向けは洋ランを中心に、シクラメンなどを合わせる。正月飾りなど小物で演出するのもいい」と話す。
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