秋葉街道8割方道筋確認
年度内には全経路明確に
伊那市長谷を南北に貫く古道、旧秋葉街道の復活を目指している「秋葉街道発掘調査隊」の調査も終盤に差し掛かり、年度内には全経路が明らかになる予定だ。これまでに8割方の道筋を確認したが
、道路改良やダム建設などによって不明確な部分に難航している。
秋葉街道は江戸中期以降、静岡県の秋葉神社参詣に使われた道で、長谷地区景観策定委員会がこの古道の復元による周辺部の景観づくり構想を打ち立て、今年2月に調査隊を組織。古文書や絵図と照らし合わせたり、点在する道標や石碑などをたどったほか、地元の高齢者から情報を収集しながら調査を進めてきた。
これまでに街道の姿をとどめる個所も多かった黒河内地区の旧平集落から、国道を外れた中尾地区を経由し、市野瀬、分杭峠の大鹿村境までおよそ12キロを確かめることができた。
ただ、非持は湖底に水没している部分があり、溝口は東への迂(う)回と直線の説があるなど、両地区には不明確な個所が多い。今後も、文化財研究者などを中心に探り、道筋を結びつけていく。
確認個所から除々に整備を進め、来年度にも復活した街道のポイントに案内板を設置し「江戸時代の人たちの目線で多くの人に歩いてもらいたい」。また、街道から地域の名所に誘致し、観光面から地域活性化につなげたい考えだ。