小沢豊実さん(60)中川村南陽
門松づくりの名人
「門松は贈って喜ばれ、毎年あてにされ、出来上がりがいいとうれしい」-。門松づくりの名人で、11月末から材料を調達、12月25日ころまでに、企業や商店から依頼された対20組、シングル40基、ミニ50基をつくる。高さは1・5メートルを中心に、村文化センター用の特大2・75メートルからミニサイズの75センチまで3サイズ。
材料の竹や松、南天(ナンテン)、梅、しめ縄やはかまを編むわらも全て村内産。わらは休耕田9アールに稲を植え付け、青刈りして使う。
エンジンオイルの空き缶の回りにわらで編んだはかまを巻きつけ、竹3本を中心に、松とナンテン、梅を組み合わせ、紙四手としめ縄をあしらって、でき上がり。缶の中には水の入った竹筒を入れ、その中に松や南天、梅を生けこむのが小沢さん流「いつまでも葉が落ちず、青々している」とか。
小学生だった長男がふるさと教室で作ったおやすを見て、自分でも出来そうだと、75センチのミニ門松づくりを手掛けたのが25年前。近所や知人に配り、評判が良かったことから、4年後に本格的な門松に挑戦。駒ケ根郵便局に頼まれて作ったり、中川文化センターには成人式のお祝を兼ねて、特大門松も作る。
1昨年まで、15年間、中川中学校の生徒と一緒にミニ門松を作り、村内の65歳以上の1人暮らしのお年よりに贈り、喜ばれた。
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生来花が好きで、昨年は伊那谷では開花が難しい皇帝ダリアの花を咲かせた。高さ3・5メートルの巨木で、直径20センチの淡い桃紫色の花が240個余り咲いて、話題になった。今年も約4メートルと育ったが、11月初旬の降霜で枯死、今は「品種の特性で4メートル以上になるが、寒くなったら、家の中にとり込めるように、草丈を伸ばさないようにしたい」と、いろいろと工夫しながら挿し芽を育てている。
「寒さに強く、花のない冬場にきれい」とハボタンもちり緬系やクジャク系など2千本を育てる。2年越しの踊りハボタンもある、1本から5、6本枝が出て、それぞれ葉を広げて、圧巻。
「門松づくりは無理せず、作れる限り続けたい。花は見ていると心が和む、これからもいろいろと育てたい」と話す。妻と2人暮らし(大口国江)