「高遠石工」で地域起こし
作品を題材に工芸品・販売へ
江戸時代の高遠石工の活躍が知られる伊那市高遠町は、町内にある石造物をかたどった工芸品を売り出そうと考えている。先人が培った貴重な文化遺産を掘り起こし、地域おこしにつなげる狙いだ。
守屋貞治をはじめとする名工を生み、その作品は全国でも高い価値を得たとされている。町内には2229基の石造物があり、それを題材にペーパーウエイトやペン立てなどに仕立てる。
第1弾は、長藤板山にある、二神が手を握り合っている道祖神(縦45センチ、横28センチ)と、三義山室川辺にある猫の石造物。西高遠の工芸家、鈴木岬さん(64)に製作を依頼し、現在は試作品を作っている。
粘土でかたどり、素焼きした後、色づけをして仕上げる。いずれの作品も現物を高さ10センチほどに縮小した形となる。千円前後に価格を設定する予定で、年度内にも高遠歴史博物館で販売する。
第2弾以降は「反応を見ながら考えていく」(市高遠町総合支所)。