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中川西小3年(片桐操教諭、20人)

大豆をテーマに総合的学習

中川西小3年(片桐操教諭、20人)

 「1人ひとりが自分の畝(うね)の大豆の管理をすることで、責任感も大豆に対する愛着も生まれた。豆腐づくりを通して、食物の大切さや農業の大変さにも目がいくようになった」と、片桐教諭は子どもたちの育ちを実感している。
 昨年、生活科の学習で大豆を栽培、豆腐づくりを体験した同学年は「去年よりもたくさんの大豆を作りたい」「家族にも豆腐を食べさせたい」と希望し、総合的学習のテーマを「もっとたくさん大豆を作ろう」に決めた。
 体育館北の座光寺喜久司さんの畑2アールを借り、6月、座光寺さんの教わりながら、種から苗を育て、10畝に2100本を定植した。1畝を半分にし、ひとり一人が分担場所を決め、名前を書いた看板を立てた。「看板を立てたことで、大事にしよう、しっかり世話をしようという気持ちが生まれた(片桐教諭)」。子どもたちは大豆の成長を観察したり、夏休み中も草取りにくるなど世話をした。
 夏休み明け、座光寺さんに「虫がつき、実入りが良くないので消毒する」と言われた子どもたちは、大豆についた虫を観察、3種類あり、図鑑やインターネットで調べた。大豆観察は目視だけでなく、割って中を見たり、においをかぎ「キュウリのようだ」。
 収穫期が迫り、子どもたちは収穫した大豆で何をしようかと話し合った。多くの子どもたちから「豆腐を作りたい」「お世話になった座光寺さんにお礼をしたい」という提案があり、「豆腐を作り、座光寺さんに食べてもらおう」ということに。「どんな豆腐を作りたいか」を話し合い、それぞれのイメージを膨らませ、班ごと豆腐づくりもした。
 11月27日は2回目の豆腐づくり。この日の午後、青少年赤十字研究推進校の公開授業があり、全県から小中学校の教諭ら約50人が来校、同学年の豆腐づくりを参観した。各班ごと午前中に作った豆腐を試食し、味、見た目、舌ざわりなどの観点で出来映えをチェックし、他の班の豆腐と食べ比べ「うちの班の方がおいしい」「表面がざらざらしている」など感想を。
 この後「にがりを増やす」「重しを調節する」など、次回への見通しも発表し合った。 11月30日、待ちに待った大豆の収穫。座光寺さんや保護者に教わりながら、木は枯れ、しっかりと実が入った大豆を根ごと抜き取り、わらで束ねた。「重い、重い」と言いながら、旧校舎に運び込んだ。大豆を抜いた後、雑草や枯草なども取り除き、畑をきれいにしたり、土に落ちた豆を「もったいない」とひと粒残らず拾い集めていた。
 片桐教諭は「大豆を収穫する作業をやり遂げたことで、『たくさん収穫できた』『これで豆腐が作れる』という収穫の喜びを味わうことができ、座光寺さんへの感謝の気持ちも深まるのでは」と話していた。

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