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南箕輪村神子柴 主婦・小嶌由美子さん(60)

南極ツアーに1人で参加 きれいと言われる風景が凝縮

南箕輪村神子柴 主婦・小嶌由美子さん(60)

 還暦の節目を記念し、今年の1月4日窶・1日の18日間、南極ツアーに1人で参加した。空、海は深く青く、白い山と大きな氷山。日本では決して見ることのない大自然が待っていた。「南極だー。来てよかった」。心の底からそう思った。
 「テレビで見たものを直接見たい」と、今までモロッコのサハラ砂漠、カナダの氷河窶狽ニ、世界中の自然を自分の目、足、肌で体験し、感動を心に刻んできた。南極も以前から行こうと考えていた場所だったが、たまたま、NHKハイビジョンのテレビ番組の特集が連夜放送されていて、「いかねばならぬ」と決断。すぐさまツアーに参加した。
 「NHKから旅費をもらいたいぐらいですね。還暦と重なったのもたまたま」と、笑う。
 成田空港から飛び立ち、北米経由でアルゼンチンの南端ウシュアイアへ。そこからクルーズ船「ブレーメン号」で南極半島の西側・南シェトランド諸島を中心に、南極圏近くまでクルージング。
 南極では、多くの感動があった。南極半島の「パラダイス湾」は世界で一番きれいな場所と言われている。波はなく、水面は鏡のようで、白い雪山が写り込んでいる。「スイスの山マッタンホルンも、フィンランドのフィヨルドもかなわない。きれいと言われる風景はすべてここに集まっているんだ」。
 南極の生き物の代名詞「ペンギン」は、数種類が生息する。人間と同じで家族単位の生活だが、親が餌を取るため家族と放れる間は、子供を群れに預けるなど、集団で協力して暮らす。群れの中では、母親ペンギンが他のペンギンの子供を奪おうとしたり、カモメから子供を守ろうとくちばしで小さな石を運び囲いをつくったり…。「人間社会と一緒なんだ」と、母親の姿に胸がしめつけられた。
 ◇ ◇
 写真展「還暦おばさんの南極の旅」は9月5日まで、伊那市中央区の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている。入場無料。休館日は土、日曜日、祝祭日。午前8時22分から午後5時10分まで。
 旅行は1人で行くことが多いため、いつもはカメラを持ち歩かない。長男から「おかあさんなんでも撮ればいいから」と、手渡された小さなデジタルカメラで撮影した。写真にはあまり興味がない・ス素人カメラマン・スは、「誰でもすぐに行ってこれる場所ではないので、みなさんに見てもらおう」と展示会を開いた。
 ◇ ◇
 旅は人生のターニングポイント。自分で直接見て感じたことは映像より心を揺り動かす。「イスラムのお祈りするところや、アラスカのヒグマがサケを獲っているところも見たい。あと何個所かあるけど…秘密」と、次の旅の話をする姿は、生き生きと輝いて見えた。

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