獅子舞 担い手不足が深刻
高遠町の上山田引持で保存会立ち上げへ
伊那市高遠町上山田引持(伊藤裕偉常会長、34戸)で、獅子舞の担い手不足が深刻になっている。13日夜のお日待ちに合わせた獅子舞では、初めてOBの協力を得て舞った。「地域の宝」を守ろうと、本年中の保存会立ち上げに向けて動き出す。
獅子舞は、地元に住む30歳以下の男性が祭事のメンバーとなり、地域の祭りや敬老会などで披露。年々、メンバーは減少し、昨年は2人のみで、舞えなくなった。そこで、30縲・0歳代のOBに声をかけ、人員を確保。仕事の都合もあり、1週間前の日曜日を利用してけいこした。
お日待ちの会場となった地元集会所には、地域住民40人余が集まった。
無病息災や五穀豊穣を願い、悪魔払いを披露。ひょっとこが登場し、笛と太鼓に合わせた舞いに、会場から「花」が飛んだ。
祭事長の前田健次さん(28)は、メンバー全員が獅子を操れるわけではなく、舞い手がいなくなれば、後に続かない実態を指摘する。
伊藤常会長は「年齢を問わず、幅広く会員を募りたいと考えている。本年中に形づくりたい」と述べ、近く、常会内に専門の委員会を設置する考え。
十数年前、獅子舞を復活させた飯島町の梅戸神社獅子舞愛好会。笛や太鼓は、ほとんど子ども衆が担っている。会員確保は課題で、宮下千昭会長は「伝統を守るには、氏子の協力がなければできない」と話す。