宮田観光ホテル、外部の意見聞く初の試食会
社内外の意見を聞き、経営改革、サービス向上を進める宮田村の宮田観光ホテル。村の第3セクター方式による運営の蓄積は、長期債務やサービスの低下などで村民の信頼も失墜しかけたが、ここに来て変化の兆しも見え始めた。根幹となる料理もそのひとつ。多くの声やアイデアを取り入れ、マンネリ化の打開を図る。24日は社外モニター機関「サポーター会」を招き、2月からの新メニューの試食会を開いた。
テーブルの上に並ぶ創作料理の数々。切干大根を麺に見立てた「変わり焼きそば」、村特産の豆腐を使った「地獄鍋スープ」など目にも鮮やか。
全て2月中旬から5月末までの宴会、宿泊で提供するメニュー。以前のように、仕入れたものをそのまま客に提供する「出来あい」のメニューは見当たらない。
11月から板場の主任に就いた谷口公朗さんは「出来あいは使わず、地元の産物をできるだけ使おうと板場全員でアイデアを出し合いました」と話す。
同社は昨年、社内にイベントや接待など4つのプロジェクトチームを立ち上げた。若い社員もリーダーとなり、封建的だった調理部門にもメスが入った。
「板場も含め以前は上部だけで決めて、我々が意見を言う雰囲気は一切なかった。今は違う。風穴が開いた感じです」と若手社員のひとり。
昨年末には初のディナーショーを開催。小田切英夫副社長は「成果も出つつあり、前向きな姿勢になっている」と話す。
外部に料理の意見を聞くことも初めてだったが、この日の試食会でサポーター会メンバーは「心意気が伝わってきた」と好感触を寄せた。
減少傾向にある利用者数を食い止めるのは容易ではないが、「あぐらをかいている訳にはいかない」と社員の意気込みも増す。