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【権兵衛トンネル1年~その後の地域~】

【権兵衛トンネル1年~その後の地域~】

 2月4日、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルが開通して1年が経つ。伊那市中心街縲恂リ曽町福島中心街は約45分で結ばれ、これまで塩尻インターチェンジ経緯で1時間半ほどかかっていた両地域間の時間的距離は、大幅に短縮された。それに伴い上伊那では、観光、商工業、文化交流など、各分野でさまざまな変化が生じている。
【商業】
 消費者の流出に強い不安を抱いた木曽側とは対照的に、伊那側では、トンネルの開通が商圏拡大のチャンスだと考える小売業者も多かった。特に期待を寄せていた大型店だけでなく、中心商店街でもトンネル開通前後に合わせて木曽地域に広告を配布。開通日には各地で記念イベントが催された。
 しかし、1年が経過し、動向を見守ってきた大型店の多くは「もっと来てくれると期待していたが」と率直な感想をもらす。
 伊那市の大型店「アピタ伊那店」では、開通直後に木曽地域にも広告を入れ、チラシを持ってきた人に記念品を贈呈する企画を実施。約1カ月はチラシを頼りに訪れる客がいたほか、半年ほど前までは大型バスで乗り付ける観光客も多かった。担当者は「会話の中で『木曽から来たんですよ』と話す人もおり、木曽から人が来ている実感はあるが、伊那の比にすると木曽から来ている人は微々たるもの。土日や季節の行事ごとに増えている気もするが」と語る。
 同店ではトンネル開通以降も大きな企画を催す時に合わせ、木曽地域に広告を入れていたが、一年の動向を見て、今後は極端な誘客戦略を取らないことに決めた。その背景には「あそこへ行けば全部買い物ができる」と認識して客が日常的に買い物に来るようになるまでは、4、5年かかると見ていることも一つの要因となっている。
 ◇ ◇
 一方、南箕輪村の大型スーパー「アップルランド伊那インター店」は、来期から本格的に木曽地域からの誘客を図るための取り組みを開始しようとしている。
 同店では、開通直後の3月の時点で、来客数が1%、売上が3%増加し、その後も木曽側からの客が来ている様子がうかがえるものの、当初の期待に見合う効果は得られていない。しかし、大沢進店長は「実際に木曽地域にも行って見たが、順調に行けば30分で行き来できるようになった。木曽は伊那と比べて全体的に物価も高く、チャンスは非常に大きい」と誘客への意欲を見せる。
 誘客戦略の一つとしては、木曽側にしかない特産品やあちらの生活の中で日常的に消費されている商品などを扱うことで、トンネルの向こう側から来る客の満足度を高めようと準備を進めている。また、こうした取り組みは、伊那地域の客にとっても刺激となるのでは竏窒ニの期待もあるという。
 ◇ ◇
 中心商店街でも、トンネルの開通により木曽方面から訪れる人の声を聞くなど、それなりの変化を感じているが、知名度のある大型店に客が流れている実感の方が強い。
 一部の有志は、年間行事を示したチラシを木曽側に入れ、誘客への意欲を燃やした。しかし、昨年は豪雨災害に伴い伊那まつりが中止となるなど、商店街をPRする機会すら少なかった。
 いなっせに婦人服店「松屋」を構える松沢一男さんは「木曽の人にとっては、商店街がどこにあるかすら知らないのが現状だと思う。しかし、何かやらなければ結果は出ない。お客を引っぱりたいという思いはあるが、チラシを入れるのも予算がかかること。なかなか難しい」と話す。
 また、大十呉服店の池上直樹さんは「『近くなったから』と足を運んでくれた人もいた。入舟交差点に入って道に迷う車が多いようで、よく道を尋ねられることもあるから、車も入ってきていることは確か。商店街に人が流れないのはまちに魅力がないせいもあるかもしれない」と語る。
 ◇ ◇
 消費者流出の不安感が強かった木曽側の小売業者の中には、いったんは胸をなで下ろした人も少なくない。
 木曽福島町のAコープきそ店はその一つ。同店ではトンネル開通後の約3カ月は、客足が遠のき、経営を圧迫したが、その後は消費者が戻り、現在もその状態が続いている。
 しかし、消費者が流出することへの懸念がなくなったわけではない。平畠重行店長は「木曽が伊那地域の商圏の中に入ったのは事実。行楽シーズンに消費者が流れ出す傾向にあり、今後は波ができるのではないかと考えている。木曽は伊那側と比べて物価が高い。今後は価格調整をすることも必要かもしれない」と語る。
 食料品など、日々の生活に密着した商品を扱う小売店には客が戻ってきたものの、総合小売業の「木曽福島サティ」では、土日を中心に売上が下がっているという。
 同店ではサービス充実に努めることで、消費者の心をつかみたいとしているが、具体的な方策については今のところ考えていない。

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