観る旅からとけ込む旅へ
ほんまもん体験で地域活性化を
体験型観光
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飯島町観光協会(会長・高坂町長)は29、30日、役場で体験型観光で町の活性化を図ろうと、和歌山ほんまもん体験倶楽部の刀根浩志事務局長を招き、初の体験観光研修会を開いた。
刀根さんは年間集客数20万人といわれる和歌山県体験型観光の仕掛け人で、国が選んだ観光カリスマの1人。県の地域づくりアドバイザー事業を活用。
里山トレッキングやわら細工、そばうち、農産物加工、農業、木工など各種体験型メニュー関係者ら約30人が参加し、ほんまもん体験の理念や、具体的なメニューについて理解を深め、意欲を駆り立てた。
刀根さんは「田舎志向の体験型観光が注目されている。名所旧蹟を観る旅から、体験を通して自然や人にとけ込む旅が求められている」と観光の潮流に触れ「ほんまもん体験観光」の理念を「互いに高まりあう観光を創造する」とし、目的は「体験させる」でも「観光振興」でもない。体験は手段であり、目的は感動。自分たちの誇りと自信を回復させることが、観光力の強化、地方再生の道になるとした。
また、具体的に何を売り物にするかは都会になくて、田舎にあるもの。ほこりまみれの誇り、わが町の遺産-などを挙げ「準備をしすぎない」「手伝わない」「ほめすぎない」など事業推進に向けた注意事項にも触れた。
2日目は個別メニューの相談会があり、雪形や木工、農業、トレッキング、自然観察などの関係者が訪れ、取り組みのノウハウについて聞いた。
個別相談を終えて、刀根さんは「点と点が線でつながれば、すぐできる。官・民の役割分担が隙間を作らず、重なり合うことが大事。やる気も条件もそろっている、スタートラインに立ち、ピストルが鳴るのを待っている状態」と期待した。
町観光協会は「無理をしないように、やれる人からやろう。やれる人が上手に走り出したら、だんだんに関わっていくという取り組みにしたい。今年度中にもシオジ平トレッキングなどメニューの売り込みを検討したい」と話している。