昨年7月豪雨災害検証、防災にシンポジウム
命守る備えいかに
昨年7月の豪雨災害を検証し、今後の防災について考えるシンポジウム「平成18年7月豪雨と上伊那の土砂災害竏猪「来への提言竏秩vが7日、辰野町の町民会館であり、関係者や一般参加者ら800人以上が詰め掛けた。
主催は、上伊那8市町村、県治水砂防協会上伊那支部、伊那建設事務所でつくる実行委員会。基調講演や事例発表、パネルディスカッションを通して、災害の悲惨さを後世に語り継ぐとともに、災害から命を守るための情報発信の場とした。
事例紹介では、被災地域、消防や警察、自治体などから7人が発表。人家への土砂流入を防ぐことや区民の避難誘導などにあたった箕輪町北小河内区長の丸山全二さんは「想像を絶する凄まじいものだった」と当時を振り返り「自主防災組織が有効に機能できるようにしていく必要がある」などと今後の備えについて語った。
パネルディスカッションのテーマは「不測の土砂災害にいかに備えるか」。信州大学の平松晋也教授の進行で、伊那市、箕輪町、辰野町の首長、伊那建設事務所長、県砂防課長5人が討論した。
土砂災害による被害について原義文県砂防課長は「土砂災害がよく発生する降雨のピークが過ぎると安心してか、遅れて発生する土砂災害に対応できていないことがよくある」と指摘した。
土砂災害防止への今後の取り組みで、箕輪町の平沢豊満町長は「情報の発信と収集の体制を重点的に考えていきたい」と述べた。