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視覚障害ランナーの目となって
元五輪選手の宇佐美さん指導、宮田村で伴走者育成講習会

視覚障害ランナーの目となって<br>元五輪選手の宇佐美さん指導、宮田村で伴走者育成講習会

 視覚に障害を持つランナーの・ス目・スとなる伴走者を育成しようと3日、一般対象の講習会が宮田村の宮田中学校であった。日本スポーツボランティアアソシエーション(NSVA)と県視覚障害者マラソン協会の共催。NSVA理事長でマラソン日本代表として3回の五輪を経験した宇佐美彰朗さんらの指導で、約80人が実際に伴走して声のかけ方、気の配り方などを学んだ。
 宇佐美さんの指導は、一昨年の北安曇郡池田町に続いて県内では2回目。21年間の伴走経験を持つ鈴木邦雄さんと一緒に教えた。
 県内各地から参加があり、地元宮田中学校陸上部の20人も体験。目の見えない状態の人と一緒に歩き、段差の有無など路面状況の変化を的確に知らせる練習から始めた。
 慣れてきた所で、聴覚障害のランナーを実際に伴走。コーナーなどの指示を出して走ったが、うまく伝わらずにコースをはみ出す姿もあった。
 長野マラソンで伴走しようと準備を進めている伊那市の茅原由昭さん(20)と箕輪町の柴勇一郎さん(19)は「あせってしまい、指示を出すのが難しい」と話した。
 宇佐美さん、鈴木さんは「安全を第一に、ランナーを走りやすくさせるのが伴走の基本」と繰り返し指導。「スポーツは健常者だけのものではない。皆さんからまわりに発信して」とも呼びかけた。
 県内には約30人の視覚障害のランナーがいるが、伴走者は70人ほど。足りない状況もあり、県協会などは今後も講習会を開いて育成を図っていく考えだ。

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