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伝統文化こども教室の西箕輪教室を主宰
伊那市西箕輪
重盛栄子さん(63)

伝統文化こども教室の西箕輪教室を主宰<br>伊那市西箕輪<br>重盛栄子さん(63)

 地元の西箕輪支所を借りて小学生に茶道・華道を教える「伝統文化こどもいけばな教室」に取り組んでいる。本年度で3年目。何も知らない状態で通い始める子どもたちは6月から3月にかけてともに学びながら、基本の作法や思いやりの気持ちを習得していく。
 「子どもたちは本当に素直で、わくわくした気持ちが伝わってくる。においや形に感動している姿は素晴らしいです」
 ◇ ◇
 茶道と華道をはじめたのは18歳の時。何気なくはじめたことだったが、立ち居振舞いの美しさ、もてなしの気持ちが込もった言葉のしなやかさに魅了され、その世界に引き込まれた。
 自宅の一角を使って大人を対象とした教室を開くなどもしてきたが、年を重ねるに連れ、「こんなに素晴らしい日本文化を次世代を担う子どもたちにも伝えていけたら」という思いが募っていった。
 ちょうどそんな時、伝統文化の継承などを目的とする文化庁の「伝統文化こども教室」が始まることを知る。自分の思い重なる趣旨に賛同し、思い切って応募してみたところ見事採択され、子ども教室の一歩を踏み出すこととなった。
 ◇ ◇
 教室をはじめるのはいいが、果たして本当に子どもたちは来てくれるのだろうか竏秩B期待とは裏腹に最初はそんな不安もあった。しかし、本番当日には目を輝かせた子どもたちが集まってくれ、不安は一気に払拭された。
 何も知らない子どもたちにまず教えたことは、道具の扱い方。特に生け花に使う剣山は強烈な印象を与えたようで「わー、何これ」など驚きの声が挙がった。それから順を追って生け方の基本などを指導。できるだけ季節の草花を用い、「四季」を感じてもらえるように心がけた。
 「大人は『こう使わなければいけない』っていう既成概念ができてしまうけど、子どもたちはいろんな感性で作品をつくる。作品を見ると『ああ、この子はこういうことを表現したかったんだ』ってそれぞれの子どもからメッセージが返ってくる。それが何よりも嬉しいです」
 子どもたちそれぞれに書いてもらった作文には「最初は正座が大変だったけどできるようになった」「これからはたくさんの人に茶道の楽しさを知ってもらいたい」など、自身の成長への喜びやメッセージが綴られていた。
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 「本当にやってて良かったと思います。子どもたちからエネルギーをもらいながら、学ばせてもらっている。一人ひとりが違うけど、それぞれの良さがある。『この子はどう応えてくれるかな』『どう思ってくれるのかな』って向き合いながら、子どもたちの心を伸ばしてあげたいと思ってます」

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