むらづくり講演会
これからの地域防災を考える
これからの地域防災を考える南箕輪村主催の「むらづくり講演会」が7日夜、村民センターであった。講師の群馬大学工学部建設工学科教授・片田敏孝さんは、「居安思危」の言葉を挙げ、「安きにありて危うきを思う。何もない今だからこそ、昨年7月の豪雨災害の経験を踏まえて対策をとってほしい」と話した。
片田さんは防災の問題点として、災害に対して行政は住民を守りきれない現状にも関わらず、住民が行政と情報に依存している災害過保護になっていること、人は自分は死なないと考える「正常化の偏見」という心理があることを説明。過剰な行政依存の脱却と、自分の命は自分で守る鉄則の再構築を強調した。
自分の安全、地域の安全のため、自然と向かい合い、住民が持っていた災いをやり過ごす知恵を共有し、行政や情報に頼らずに避難できる住民による自主避難体制を確立した事例を紹介。地域防災力を高めるために、住民自身が自助、共助、公助の力を身に付け、住民と行政が並列的に災害に立ち向かう社会構築の必要性を述べた。