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信大の土田教授・最終講義

 信州大学農学部(南箕輪村)の教授で3月に定年退官する土田勝義教授(65)=松本市=の最終講義が17日、同大学であった。一般公開した講義には卒業生、在学生、地域住民ら約140人が聴講。自然保護の第一戦で活躍する土田教授は、国内外の山岳地域の植生保全などについて語った。
 土田教授は、スライド写真を使って植生研究の成果を紹介した。登山者の踏み荒らしによって荒廃が拡大した白馬岳の登山道などを例に上げ、植生復元の取り組みを講話。登山道を狭め、裸地化した場所へネットを張り、植栽するなどのさまざまな方法を実施し、効果を得ることができたと説明した。
 天竜川の研究では、外来植物による在来種の被害を訴え、同河川の一部に成育している絶滅危惧(きぐ)種のカワラノギクなどを紹介。外来植物の抑制方法としてニセアカシアについては、幹を切断するにも夏場の時期を選んで実施することで絶やすことができるとの実験成果を話した。
 土田教授は、仲間と取り組んでいるビオトープづくりのほか、ヒマラヤやスイスなど海外で調査した植生研究の成果なども映像を交えて語った。

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