自殺予告メールの女に猶予刑
伊那市内の小学校に虚偽の自殺予告メールを送り、教育現場を混乱させたなどとして、業務妨害の罪に問われた同市伊那部の元市教委臨時職員平沢真奈美被告(42)=懲戒免職=に対し、地裁伊那支部(藤井聖悟裁判官)は22日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
起訴状などによると、平沢被告は、昨年11月15日昼、司書をしていた勤務先の小学校とは別の学校へ自分の携帯電話から、市内の小学校を卒業した中学2年生と偽り「今世間では毎日のように中・高校生が自らの命を絶っています。私も小5、6年といじめにあって担任の先生にも伝えてきましたがまったく聞いてもらえませんでした。先生を困らせるために死のうと思います」と、うそのメールを送信。同校や市教委、関係のある中学校などで該当生徒の割り出し作業を余儀なくさせ、教育現場の業務を妨害した。犯行は、日ごろのイライラした気持ちのうっぷんを晴らすためだったという。
藤井裁判官は、判決理由を「自己中心、短絡的な動機を組むべきものはない。自らの尊い命を絶つ青少年がいる中、教育現場でこれを阻止しようとしている関係者の努力、願いを逆手に取り、もてあそぶ悪質な犯行」と述べた。