西春近で里山セミナー
災害現場を見て、健全な森林づくりを考える
昨年7月の豪雨災害で土砂などが流出した伊那市西春近で10日、第1回里山セミナーがあった。地域住民ら約120人が参加。諏訪形の貝付沢、柳沢の前沢川の2カ所を見て回り、健全な森林のあり方を考えた。
材木の価格低迷などから、私有林の手入れが行き届かない現状がある。災害現場を見ることで、治山に関心を持ってもらおうと西春近自治協議会などが主催した。
現地で、市・県職員が災害時の様子や砂防えん堤を整備するなど災害復旧事業について説明。
土砂や水がなぎ倒した大木、土のうが積まれた護岸など現地を見た地域住民は「地元にいても、山がこんな状態だとは知らなかった」「集中豪雨は、どこにでも起こり得ること」とつめあとの大きさに驚いた様子だった。
橋爪俊夫会長は「健全な山を作ることが防災につながるという認識を持ってほしい」と話し、間伐など手入れ方法を学ぶ場も設けたいとした。
セミナーは年3縲・回開く計画で、信州大学と連携し、森林づくりのシンポジウムなどに発展させていく。