小惑星発見し、名付け親に
宇宙航空開発機構 プロジェクトを伊那市に提案
新しい小惑星の名付け親になりませんか竏秩B伊那市高遠町の大沢山山頂で宇宙デブリや小惑星の観測に取り組む宇宙航空開発機構(JAXA)は14日、小中学生などが新しい小惑星を発見し、その名付け親になれるプロジェクトを伊那市の小坂市長に提案した。
昨年11月末に入笠山工学観測所を整備した同機構は、衛星などの破壊原因となる宇宙デブリ(運用が終了した人工衛星やロケットなどの破片)の除去や衝突を回避するための研究に取り組んでいる。
宇宙デブリの発見に暗い中でも存在を確認できるソフトを使用しているが、このソフトは小惑星の発見にも有効で、昨年1月から試験的に小惑星の発見に着手。3月までに218個の新しい小惑星の発見に成功した。
このソフトを用いれば一般には発見が難しいような21縲・2等級の新惑星の発見も可能となる。小惑星の発見、命名体験を通して宇宙への関心を高めてもらおう竏窒ニ、地元住民に小惑星の発見と名付け親になってもらうプロジェクトを考案した。
中島厚主任研究員は「宇宙にこういうものがあることを知ってもらいたい。小惑星を発見し、自分で名前を付けた喜びが糧となり、人生が豊かになれば」とプロジェクトに込めた願いを語る。
小坂市長も「実際に行って見てもらうことで、宇宙への関心を高めていけばと考えている。小中学校を対象にやっていきたい」と前向きな姿勢を示した。
同ソフトは観測施設内の望遠鏡を動かして自分の好きな場所の画像を取得し、それをパソコンで画像処理しながら小惑星を発見する仕組みで、遠隔地でも発見が可能。数枚の画像を重ね合わせ、通常見ることができないような暗い星を検出する。小惑星を発見した場合はデータ報告をして発見者として登録。小惑星の軌道を正確に決定した後、命名権が与えられる。小惑星の軌道決定には通常4年前後かかるが、最長でも10年以内に命名できる。