ハーモニカ演奏ボランティア
伊那市
ハニーコーン
「みかんの花咲く丘」「早春賦」「靴がなる」「春」竏秩B思い出のメロディーとハーモニカの懐かしい音色に誘われ、演奏を聞くお年寄りたちも大きな声で歌い出す。
昨年10月から、高齢者を対象とする福祉施設やミニデーサービスなどで、ハーモニカ演奏ボランティアに取り組んでいる。メンバーは伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いているハーモニカ教室の有志12人。昭和20年代に少女時代を過ごした60縲・0代のメンバーにとってハーモニカは、何もない戦後でも一度は手にすることができた身近な楽器。そんな懐かしさから、教室に通い始めた人も多かった。
2年の月日を重ねる中で、曲のレパートリーもそれなりに増えてきた。せっかく習っているのだから、ただ自分たちで楽しんでいるのではなく、役に立つことをしたいね竏秩Bだれからともなくそんな声が挙がったことが、ボランティア演奏に挑戦するきっかけだった。
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どうせなら一緒に歌ってもらおう竏窒ニ、演奏曲はお年寄りにも親しみがある童謡・唱歌を選択。夏用と冬用、2着の衣装を準備して見た目も華やかに装うことにした。
「衣装で下手な演奏を隠そうって華やかな衣装でそろえたんですよ」と笑う。
しばらくしてから、会の名前がないことに気付き、慌てて全員で頭を悩ませた。
「ハーモニカを吹く姿がトウモロコシをかじっているみたいだから、『スイートコーン』っていうのはどう?」「それなら、ハニーコーンっていうのもあるけど、ハニーコーンは?」。そんなやり取りから「ハニーコーン」という名前も決まった。
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団地に住んでいる人の中には一人暮らしのお年寄りも多く、普段声も出さずに生活しているという人もいる。
ある団地のミニデーを訪れた時のこと。普段は会話もしないと話していたおばあさんが、大きな声で歌ってくれた。「嬉しいよ」「楽しいよ」そう言って喜んでくれるお年寄りたち。その姿に励まされているのは、自分たちの方だった。
「決して上手なハーモニカではないけど、知っている歌は一緒に歌ってくれます。すぐそばで『良かったよ』って喜んでくれるのを見ることができるのが嬉しいです」と代表の橋爪さん。
「とにかくみんな練習熱心。やりたい曲もそれぞれで持ってきて『次はこれを練習してね』なんて言っているけど、それも楽しみです。レパートリーを増やして、児童養護施設や小学校などでも演奏してみたいです」
演奏をしてほしい場合、入会希望者は橋爪(TEL78・3481)、または倉科さん(TEL72・3948)へ。