光前寺の「十王図」県宝指定へ
駒ケ根市の古刹光前寺(吉沢道人住職)が所蔵する「絹本著色地蔵十王図」(けんぽんちゃくしょくじぞうじゅうおうず)=写真=が県宝に指定されることがほぼ確実な見通しとなった。県教育委員会の諮問を受けて11月から審議してきた県文化財保護審議会が19日に指定を答申した。正式決定は4縲・月の定例教育委員会での審議待ちだが、県担当者は「答申結果がくつがえることは通常あり得ず、まず間違いない」としている。知らせを聞いた吉沢住職は「ありがたいこと。今後は管理をよりしっかりするよう気を引き締めなければならない。何らかの機会をみて一般にも公開していきたい」と話している。
「絹本著色地蔵十王図」は地獄で死者を断罪する閻魔王など十王を描いた10幅と、亡者を救済する地蔵を描いた1幅の全11幅。室町時代以前の作と伝えられるが、作者など詳細は不明。十王は古くから民衆に恐れられ、信仰の対象となってきた。