【記者室】痛みを想像する難しさ
花粉症シーズン真っただ中。重い症状に苦しむ人も多いことと同情する。筆者もその一人だが、時によってひどさが違う。ついさっきまでくしゃみ連発、目は痛く、鼻は両づまりという状態だったのが、ふと気がつくとうそのように何でもないことがある▼この苦しさがなくなればどんなに気分がいいだろう竏窒ニ思っていたのに、実際そうなってみるとさほどありがたさを感じない。自身のことでさえこうなのだから、他人の苦しさを自分のものとして感じることは至難の業だ▼世の痛みや苦しみは実際に経験しなければ本当のところは分からない。想像だけで分かったようなつもりになり、的外れな判断をすることは厳に慎むべきだ。記者としての自分への忠告でもある。(白鳥文男)