矢沢たえ子さん(56)東伊那
日本絹の里全国まゆクラフトコンクールで最優秀
群馬県の「日本絹の里全国まゆクラフトコンクール」に初めて「食育(いただきまーす)」で応募、いきなり最優秀を受賞した。「
普通なら捨ててしまうような、小さく形の悪い繭を見ていると、いろいろなアイデアが湧き、楽しく作った。コンクールのために作ったのではなく、たまたま、応募したら、最優秀になった」。
「食育」は祖父母、両親、子どもたちの家族6人がちゃぶ台を囲んだ食事風景と、市の職員がボードを使って食育について説明しているシーンを描いた。
献立はご飯、みそ汁、焼き魚、煮物など純和食を再現した。まゆ人形の着ている洋服も手作り、おじいさんは作務衣、お母さんは割烹着、子どもはTシャツと工夫した。
「『食育』という現代的テーマをまゆクラフトでアピールした。細かい所まで丁寧に作ってある」と評価されたという。
1950年東京生まれ。25年前、夫と2歳と3歳の息子2人と東伊那に移り住んだ。
まゆクラフトに関心を持ったのは6年前。東伊那のシルクミュージアム立ち上げに向け、まゆクラフト学習会の募集があった。「繭をまともに見たのも初めて。形がかわいい」とすっかり気に入り、動物や簡単な花づくりを体験し「自分に合っている」とのめりこんだ。和裁や洋裁、ぬいぐるみ作りなど、生来物作りが好きだったこともあって、まゆクラフトにはまった。
作品づくりを重ね、きれいなバラ、バラらしいバラが作れるようになり、大作のブーケにも挑戦した。
シルクミュージアムに地域のお年寄りからミニちゃんちゃんこが寄贈され、それに合う顔を作ったのが、人物づくりの始まり。「形の悪い繭、不ぞろいの繭を見ていると、それぞれの繭の表情が想像力をかき立てアイデアが生まれてきた」。
「食育は昨年調理師免許を取るために食育について勉強したことから、関心があった」。
これからは「一流の人に使ってもらえるような、最高のブーケを作りたい」。