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65/(月)

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フェアトレード支援
南箕輪村
赤羽稔さん

 イヌやネコなど動物の形をしたビーズ細工のストラップ。ベトナムのホーチミン市7区にある「セント・ビンソン・チャリティ小学校」の児童が職業訓練として作ったもので、フェアトレードで収益金を児童の生活費と学校の運営費に充てるために販売している。この活動に共感し、日本国内でビーズ細工の販路を広げようとボランティア活動を始めた。
 南箕輪村でアパートを経営。1年半前、不動産投資を考え下調べのためにベトナムを訪れた。土地価格の高騰で不動産投資は断念したが、「30年前の日本が感じられる、貧しくても元気があり、その日をとにかく生きようという活力がある」ベトナムに魅せられ、1年のうち8カ月はベトナムに滞在し春とお盆に帰国する生活になった。
 06年秋、日本人がよく利用する喫茶店で、たまたま隣に座った男性が話しかけてきた。「セント・ビンソン・チャリティ小学校」を設立した藤牧勝久さんだった。
 小学校は、藤牧さんがベトナム人のオアン夫人と1999年1月に設立。近隣の公立小学校の私設の分校(定時制)としてベトナム政府の正式な認可を受けている。このため、子どもたちの将来に必要な正式な卒業証書の授与ができる。
 格差社会のベトナムで、職を求めて都会に流入する家庭の子どもや貧しい家庭の子どもなど、だれでも小学校教育を受けられるよう学費は無料、慈善授業で運営。現在児童数は130人。新たにホーチミン市初の無料の全日制私立小学校を創立する計画をしている。
 藤牧さんから小学校の話を聞いて活動や思いに共感し、学校運営を支援する「セント・ビンソン チャリティクラブ」でフェアトレード活動に加わることを決めた。
 「ボランティアはしてあげるものではない。させてもらってる、その場を与えてもらってる、その感覚にならないとだめ」。藤牧さんが学校運営の資金調達のために1年のうち半年は日本に戻り建築現場で働いていることも知り、心打たれた。 小学校も2回訪問し、子ども達に会った。「学校に来る子は家が無く、川沿いに小屋を建てて暮らしている。目が澄んでいて、きれい。とても頭がいいんですよ」。子ども達の将来のために、学校がどうしても必要だと実感した。
 「子ども達が私の心の光のように感じる。藤牧さんに声を掛けてもらったこと、子ども達から本来のボランティア精神を教えられたことに感謝しています」
 今年3月に帰国。地元でフェアトレードのビーズ細工を扱ってくれる店を探した。箕輪町のぷち・らぱん、伊那市のラクシュミー、飯田市のアジアン・ロータスが協力してくれることになった。
 日本国内で同じく活動している人はわずか数人。「まずは自分の地元で広め、全国に広めていきたい」という。(村上裕子)
 ◇ ◇
 ベトナム滞在中に、日本でフェアトレード活動に協力してくれる上伊那の人を探している。問い合わせは赤羽さん(TEL090・2175・7225、Eメールszram2004@yahoo.co.jp)へ。

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