【日本舞踊指導者 北原博子さん】
駒ケ根市福岡
新舞踊「日本民謡舞踊連盟」の準師範。市内の3グループに踊りを指導し、踊りの楽しさを幅広い年齢層の生徒らと分かち合っている。
「運動の代わりになれば竏窒ニ言って始める方も多いんですが、続けていくうち『面白さにのめり込んでしまってやめられない』と皆さん楽しんでくれています」
一方で自身は指導者らが集まる研究会でけいこを積むほか、松本市に月1回通って連盟の指導者の教えを受けるなどの研さんを重ねている。
「先生方の踊りは見れば見るほど素晴らしくて、私なんかにはとてもまねができない。全国から来てくださる素晴らしい先生に教えていただけて幸せです」
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踊りを始めたのは二十数年前。義母に勧められて農協生活班の日本舞踊教室に通い始めたのがきっかけだった。
「踊りは昔から好きだったんですよ。かすかな記憶だけど5歳ぐらいのころに人前で踊ったことがあるくらいで。青年会でも仲間で振り付けをして祭りで踊ったものです」
しかし本格的な踊りは思ったよりもずっと難しく、なかなか覚えられずに苦労した。
「始めて3カ月目ぐらいに、やめようかな竏窒ニ思いましたが、その時期を過ぎたら少しずつ楽しさが分かってきてもうやめられなくなった。それ以降はやめようと思ったことはありません」
連盟の県大会や全国大会など、大きな舞台の前には胃が痛い思いをする時もあるが「それも含めて踊るのが本当に好きです」。
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踊りの難しさは、ほんのちょっとした動きやしぐさにあると言う。
「曲に合わせて動くことはできるが、そこに繊細な技が加わらないと見る人は感動してくれない。例えば、手ぬぐいの使い方、目線、腰の動き、手指の先、首の振り方竏秩Bそれに曲の一つ一つが物語になっているから、それをどう表現していくかが難しいところです。自分が物語の主人公になり切る気持ちが大切ですね」
「男踊りと女踊りがあって踊り分けなければならないこともある。難しいけれどそこがまた面白いんです。私はどちらかというと男踊りの方が好きですね。動きが速くて気持ちがいいから」
(白鳥文男)