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1510/(火)

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宮田村の辰野さんが県社会福祉事業団の理事長に

 県立の知的障害者援護施設「西駒郷」(駒ケ根市、宮田村)などを管理する県社会福祉事業団の理事長に、宮田村大原区在住の辰野恒雄さん(68)が就任した。西駒郷の次長や県飯田児童相談所長を務めた元県職員で障害者、児童福祉の現場に精通。西駒郷では利用者が地域のグループホームなどで暮らす・ス地域生活移行・スが進むが「移行した人たちの老後の支援体制づくりも急務」と多忙な身を削って想いをめぐらす。
 同事業団は移行した人たちの受け皿となる通所授産施設を箕輪町や長野市で経営するほか、県内18カ所にグループホームを設置して運営している。
 「地域で暮らすことは誰が考えても素敵なこと。ただ、同じグループホームで生涯暮らすことは難しい。地域に出ると同時に、老後の受け皿も確立しておかないと大変なことになる。地域での生活経験がその人の厚みになるように支援していかないと」と辰野さん。
 高齢化社会に障害者であるゆえに乗り遅れることがあってはならないと、自戒もこめて警鐘を鳴らす。
 15年もの間勤務した西駒郷。生業部長を務めた当時、3年がかりで利用者が地域で暮らせるか調べ、目標を持って可能性を広げられるように個人別のプログラムを立ち上げた。
 現在の自活訓練に通じ、地域生活移行の思想の先駆け。今のようにグループホームや生活寮がない時代だったが、利用者が出身地近くの施設に移れるよう配慮もした。
 3月末に突然理事長就任の打診があり「寝耳に水だった」と笑うが「仕事が自分を選んでくれた。一生懸命取り組みたい」と話す。

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