種からリンゴの木育ってます
南箕輪中1年の原太河君が栽培
種から育てたリンゴの木が、順調に成長を続けている。木の持ち主は、南箕輪村の南箕輪中学校1年生、原太河君(12)。南箕輪小学校3年生のときに学校で種をまき、家に持ち帰った小さな芽が、樹高155センチに育っている。
当時の南小3年4組のリンゴ作り体験学習で、原君ら児童5人が、摘花から収穫まで学んだ後に「発芽グループ」を結成。自分達で食べたリンゴ「フジ」の種をまき発芽させた。4年生の進級時に各自が芽を家に持ち帰り栽培に挑戦したが、現在育っているのは原君の木と、当時の担任ら2人の元にある2本の計3本という。
原君は、芽を鉢植えで育て、リンゴ学習に協力した田畑のリンゴ農家・白鳥幸子さんの助言を受け、5年生の5月ころに15センチほどに成長したものを庭に下ろした。「枯れちゃうかなと思っていた」が、牛乳を使った害虫防除をし、祖母が毛虫を見つけて取るなど家族皆で育てている。
リンゴの木の成長を知り、白鳥さん一家と、JA上伊那営農部中部グリーンセンター果実担当の唐沢良忠さんが訪問。成長の妨げになる枝を切り、支柱を立てて固定した。
「母親はフジでも父親が違う花粉なので、フジではない実ができるかもしれない」と唐沢さん。フジができると思っていた原君は新事実に、「新品種で金持ちになれるなら…」と笑っていた。
種から育てた木は花をつけるまでに7年近くを要するため、生産者は通常接き木でする。白鳥さんは「育っていてうれしい」と話し、唐沢さんは「若い木は弱いので病気や害虫に気を付けて」とアドバイスした。リンゴの花が咲くのは、原君が高校生になるころだという。